ブルカは合法(スウェーデン)
ヨーロッパは移民を多く受け入れているので、イスラム教女性の問題も少なからず
議論の対象になります。
フランスでは、イスラム教女性の衣類、ブルカを禁止する法律が施行されましたが、
一方、スウェーデンでは逆に、「ブルカ禁止は違法」としています。
理由は、人権侵害であり、宗教の自由を侵すものであるからです。
事の発端となったのは、2006年のあるときに、イスラム教女性がブルカを着た子供を
学校に通わせていたところ、その学校で、ブルカ禁止とされ、転校を強いられたという
事件が起きたことです。
この時、母親は学校を訴え、教育委員会が、「信仰の自由を侵害するもの」とし、
学校側に生徒を受け入れるように勧告しました。
つまり、ブルカ着用のまま、授業が受けられるようになったのです。
スウェーデンは、ありとあらゆる差別撤廃に尽力しています。
男女差別は勿論のこと、宗教差別、人種差別など、全ての差別問題の解決を目指しています。
その一環で、ブルカは合法、としたのも、不思議ではありません。
しかし、国民の本心では、イスラム教徒に対する多大な懸念があります。
9.11テロとロンドン同時爆破テロ以降、イスラム教徒への不信感はぬぐい去れない、
というのが、他の諸民族の一致した考えです。
現在は、イスラム教の子供とその他の子供たちが同じ教室で授業を受けることになり、
親の心境は複雑であろうと思います。