育児休暇(ドイツ)
ドイツにおける、子供のいる女性に対する保障制度は、まだまだ不完全といえるでしょう。
ドイツでは出生率の低下が社会問題になっていますが、今尚出生率の増加に繋がらない
要因を抱えています。
そもそも、賃金格差が男女間で開いています。
その上、育児休暇が明けて、復職することは可能なのですが、育児休暇を長く取れば取るほど、
男女間の収入格差が広がる傾向にあります。
また、保育施設の充実化も遅れているため、母親が自由に働きに行けないという現状もあります。
子供を預ける場所がなければ、働きに行けないのは当然のことでしょう。
男性の育児休暇取得率も低く、ある調査によれば、育児休暇取得の申請をする男性は、
5%程度に留まっています。
ドイツ社会にも、専業主婦という概念はありません。
つまり、女性は子供がいる限り、働きたくても働けないという悩みを抱えなければならないのです。
ドイツでは、1986年に初めて育児手当が開始されました。
2008年時点で、14ヶ月の育児休暇中の親には、給与の約67%の育児手当が支給されています。
また各家庭の生活に応じて、その支給額が上がるだけでなく、場合によっては、育児費の
2/3を所得から控除できるなど、手当ての面ではそれなりの充実が図られています。
あとは、託児施設の増設、子供を預けて女性が安心して働ける社会づくりが必要だと思われます。