育児休暇(スウェーデン)
スウェーデンには、既に世界に先駆けて、育児休暇の充実が図られています。
しかも、まだまだ改革の余地あり、という政府の考えですから、我々日本人からすると、
ただ驚くばかりです。
育児休暇は、子供一人につき、男女で16ヶ月の取得が認められています。
その間、給与80%分の所得が国からもたらされます。
育児休暇をどれくらい取得するかは、各家庭で決めることではありますが、最初の3ヶ月間は、
両親共に育児休暇を取得しなければなりません。
これは、男性の育児への参加を促す目的でそのようになっています。
そもそも、何故ここまで徹底した男女平等を育児の中に取り入れたのか、実はその背景には、
女性の地位向上を目指すことより、「労働力確保」という側面が最初は強かったようです。
スウェーデンは、1970年代まで、労働力不足が問題になっていました。
そのため、女性にも労働に参加してもらいたいと、女性が育児の傍らで働けるような体制を
整えたのです。
勿論、現在最も大切にされているのは、そのような点ではなく、目下のところ、男性に
育児への積極的参加を政策目的の第一とし、改革内容を吟味しています。
労働力確保のための政策が、結果的に、福祉先進国スウェーデンという一面を創り上げたのです。
それでも、現在の育児制度に甘んじることなく、更に男女が育児をしながら社会での活動を
保障されるような改革が続けられています。