フレキシビリティ法の重視(オランダ)
オランダでは近年、パートタイマーが急激に増えています。
これは企業の低迷に伴って、パート労働や派遣労働の割合が増えたというわけ
ではなく、フルタイムとパートタイムの間の差別が撤廃されたからです。
社会では、パートタイマーも、フルタイム労働者と同等に国からの保障が得られます。
国がこのような政策を進めたのは、あくまで選択肢の幅を広げるためです。
小さい子供がいる家庭では、両親共に、家庭での時間を多く作りたいと思うのが
普通ですから、そういう人は、労働時間を減らすという選択をすることができる
というわけです。
また単純に、仕事に追われるだけでなく、自分の時間がもっと欲しい、という人も、
パートタイムという選択をするケースが増えています。
日本でもフレックスタイム制を導入している企業が増えていますが、オランダでは、
国の政策の一環で、基本的に労働者に働く時間帯の決定権を与えています。
このことで、男女共、仕事と家庭の両立ができ、超過勤務が減ることで、
企業としては、超過勤務手当を削減することができます。
この中で、自分のキャリアに悪影響が出る、と考える人も、実は少なくはありません。
その場合は、上司と今後について、いつでも話し合いが可能です。
そして、上司との話し合いを持つことは、日本ほど敷居の高いものではないので、
労働者とその周りの人たちが協力体制で、企業の安定と家庭内での安定を目指して
います。