女性の社会進出を妨げる「国の豊かさ」(スイス)

女性の社会進出を妨げる「国の豊かさ」(スイス)

スイスは、国際都市を多く抱える国家であり、日本では物価が高いというイメージが
強いと思います。

事実、スイスの教育改革は世界をリードしていて、世界中から留学生が集まってくる
グローバル都市が多くありますが、男女平等や育児制度の改革の波には乗り遅れて
いるのが現実です。

そもそもスイス女性国民に参政権が与えられたのは、ヨーロッパ諸国では一番遅い、
1971年のことです。

有給の育児休暇取得が可能になったのは、2000年に入ってからのことで、その他の
国々では、既に現存の育児休暇の日数を再考し直している時期です。

この育児保育制度改革が遅れている理由として、「スイス・ビジネス・ウィメン」の
責任者であるコッホ氏は、国の豊かさを挙げています。

スイスは世界で4番目にリッチな国という統計結果があり、女性たちが労働を強いられる
必要のないくらいに裕福であったことから、女性の社会進出が遅れた、という分析を
しています。

豊かさが裏目に出るという、皮肉な結果です。

ですから、スイスの女性は、豊かさとは別に、女性が本格的なキャリアを目指すことで、
それを支える諸制度が出来上がっていく、というのが知識人による一致した意見です。

まず、女性側の自立に対する意識改革をする、というところから始めていくことが
必要になるでしょう。