ブルカ禁止法

ブルカ禁止法

今年(2011年)に入り、フランスで「ブルカ禁止法」というものが
施行されました。

ブルカとは、イスラムの女性が、目以外を布で覆う衣類のことです。

この法律の目的は、イスラム教女性の地位向上、及び女性差別の撤廃です。

今でもイスラム世界では男女差別が顕著で、男性に命じられて女性がブルカを
着用する例が大変多く、そのことが、社会秩序の混乱を招くことがあります。

例えば病院でイスラム系の患者を診る時、女性が夫や父親に命じられて
ブルカを着ているため、脱げないと訴えることがあります。

男性に絶対服従するその象徴としてブルカは見なされ、女性解放の一環として、
サルコジ大統領がこのブルカ禁止法を推進したといいます。

寺院など特定の場所以外でブルカを着用した女性は、罰金などが科せられます。

また、ブルカ着用を強要した人については、禁固刑に処されることもあり、
どちらかというと、強要した側に法の圧力が大きくのしかかります。

その意味では、男女差別撤廃のための妥当な法律にはなっているように
見えますが、実はこの法律は、多くの問題を抱えています。

自らの意思でブルカを着用している人への人権侵害、イスラム教への差別感情の
表れだとすることも少なくなく、これから先、法律を維持するために、更なる
議論が必要とされています。