パクス法(PACS)
パクスとは、「Pacte Civil de Solidarite」の略称で、翻訳すると
「市民連帯協定」になりますが、これは、事実婚をしているカップルの
ための法律です。
パクスは、結婚とも同棲とも違い、夫婦としての一定の拘束力を有するものの、
正式な夫婦ではなく、フランス民法によると「同性または異性の成人による、
共同生活を結ぶために締結される契約」とのことです。
日本で言うところの、「内縁の夫・妻」が法的に持つ権利と同等の権利が
もたらされる、というイメージです。
しかし、その契約内容については、それぞれが自由に決められます。
財産のこと、親権などを、自分たちが自由に婚姻届けの代わりになるような
契約書に記し、裁判所に提出します。
そのことで、夫婦としての一定の義務は発生するものの、婚姻届ほどの拘束力は
ないので、いわゆる離婚に相当する別離をする状況であっても、財産分与などの
面倒な法的手続きをしなくても良いのです。
つまり、社会的には夫婦として見做されても、各々が独立した状態を保つことが
可能になるわけです。
この法律は、同性愛結婚希望者にも適用されます。
また、多くのカップルが、最近では、結婚よりパクスを希望すると聞きます。
人々の生活が多様化したのだから、結婚の形も多様化していいはず、という、
合理的な視点から生まれた法律といえるでしょう。