ヴェイユ法

ヴェイユ法

ヴェイユ法というのは、妊娠中絶を合法化を制定する法律です。
制定は1975年で、それ以前、中絶は立派な罪でした。

もともとカトリック教会のモラルにより、フランスでもカトリック思想
そのままに、中絶は犯罪である、とされてきたのです。

しかし時代の進歩により、女性には、生むか生まないか、の明確な選択肢が
必要になったのでしょう。

中絶合法化は、働く女性に「生む時期」の選択肢を与える大切な法律と
なりました。

この法案を通す時に、この法律の生みの親、ヴェイユ氏は、保守党からの
罵声を浴び、涙ながらに法案を通したといいます。

保守派にしてみれば、中絶は立派な「殺人」であり、保守派の政治家は、
ナチスのユダヤ人大量虐殺と意図的に比較することで、中絶を望む女性たちに
圧力をかけ続けました。

しかし、女性の立場になれば、出産コントロールをさせてもらえないとなると、
人権問題ということになります。

ヴェイユ法合法化のために、女性哲学者のボーヴォワールや、大女優の
カトリーヌ・ドヌーブも署名をしたといいます。

中絶合法化は、出生率の引き下げになるのではと懸念されていましたが、
現在では、出産育児に関する法律が整ったこともあり、逆に今のフランスは、
ベビーブームにもなりました。

ヴェイユ法を女性たちが勝ち取ったことで、結局その後あらゆる革新的な
法制定を作り出す原動力となったのです。