エディプス・コンプレックスと子育て
フランスでは、子育てに「エディプス・コンプレックス」を考慮していることが
大変多いように思います。
そこで、少しエディプス・コンプレックスについて説明します。
エディプス・コンプレックスは、精神分析学者・フロイトの提唱による、
子供の精神発達の特徴を表す概念のことです。
幼児期の子供は、まず母親と密接な関係を築きます。
そして、そのことが愛情に変わり、子供は母親に恋心を持つようになるのですが、
母親は父親のものです。
子供は母親の愛を手に入れようと葛藤しますが、所詮父親にはかなわないと
理解するようになり、母親への愛情を卒業し、異性を愛するようになります。
簡単に言えば、母親は手に入らないのです。
フランスでは、子供はエディプス・コンプレックスをいずれ卒業するのだから、
今から親離れを覚えさせたほうがいい、と頻繁に考えるようです。
エディプス・コンプレックスがあるという根拠に助けられて、母親は子供が
生まれても、父親とのデートを楽しみ続けます。
乳飲み子の時から一人で寝かせるのも、このエディプス・コンプレックスの
概念があってのことでしょう。
もっとも、日本式に考えれば、いずれ子供は親離れするのに、わざわざ小さい
うちからそれを躾ける必要はないだろう、ということになりますが、
物は捉えようで、フランスでは、この概念を根拠に、大人たちは優雅に
子供なしの時間を楽しむようです。