豊富なピルの種類
さて、フランスでは当たり前のように使われるピルですが、そのピルにも、
実は様々な種類があります。
まず、一般的な避妊目的で使われるものが、低用量ピル。
これは、日本にもありますし、医者と相談して処方してもらえますが、
保険適用外です。
フランスでは、保険扱いになります。
次に、ミニピルと呼ばれるものがあります。
これは、授乳期の母親向けのピルで、母乳に化学成分が混入しないように、
黄体ホルモンのみを含有したピルのことです。
また、中絶ピルというのもあります。
実は妊娠初期では、わざわざ手術に挑まなくても、薬で中絶することが
可能なのです。
これは、妊娠継続のために必要なホルモンをブロックするようにできているので、
中絶ピルを飲めば、自然流産することになります。
フランスでは、中絶ピルのほうが子宮を痛めずに安全だ、という認識が強く、
妊娠に気付いてすぐ中絶を希望する人は、100%といっていいくらい、
この方法を選択するのだそうです。
手術は、子宮を痛めるだけでなく、設備費などもかかり、病院側、妊婦側の
双方にとって、あまりメリットがないと思われます。
このように、私たちが認識する「ピル」は、実に沢山の使い分けが可能で、
必要に応じてピルの種類を変えて体を守る、というのが、フランス人女性の
常識であるといえるでしょう。