離婚事情

離婚事情

フランスの男女平等は、一見女性の地位向上のみに目が行ってしまいますが、
逆に男性が不利な状況の場合の回避にもなっています。

その例が、離婚問題です。

まず、日本では両親のうちどちらかが親権を放棄しなくてはならず、
10歳未満の子供の殆どは、母親が親権保有者になることが多いそうです。

フランスでは、男女の責任は同等で、男女双方が親権保持者になります。

更に、離婚協議の中で、裁判所が男性側の面会スケジュールを詳細に
決めることもあります。

半ば育児放棄したような男性が、逆に子供に頻繁に会う義務を科せられる
という、皮肉な事実も生み出すのです。

それだけではなく、フランス人の標準的な考え方に、
「子供の両親は離婚しても協力して子育てをする」
というものが浸透しているので、離婚したカップルが子育ての相談のために
連絡を取り合うのは、ごく普通なこととされています。

パクス婚では、言うまでもなく、法的に離婚ということはありません。

しかし、それでも男性には親権が認められます。

つまり、両親が離婚していようがいなかろうが、両親が同居していようが
していまいが、関係ないということです。

このように、親権に関しては、日本では圧倒的に女性が有利なのとは裏腹に、
フランスでは、ここでも男女平等に配慮しています。

しかし、このような男女平等の背景で、離婚率が上がってしまったことは、
社会問題として残されています。