FGM(女性器切除)の実態(スウェーデン)
FGMとは、アフリカ系民族が、長年慣習の一環として女性に施してきた、女性器切除のことです。
あくまで地元の歴史に基づいて行われてきた儀式ですが、1970年代にその実態が明るみになると、
女性虐待行為としての国際的な批難が高まり、世界各国で根絶を訴える運動が始まりました。
しかし、女性虐待と取るか、あくまで儀式として重んじるべきかの意見の相違もあり、
今だ根絶には至っていません。
スウェーデンは、人道的立場から、アフリカ系移民に対して、法的にFGMを禁止していますが、
アフリカ系移民は、スウェーデンで生まれたわが子をアフリカに連れて帰り、無理やり
FGMを施すなどの問題を起こしています。
一番大きな課題は、一世がアフリカ出身でも、二世はスウェーデンで生まれ育つという
ことで、親と子でFGMに対する価値観が違うことです。
未成年の子供たちの場合、親を訴えることへの恐れや、親元での安心した生活を
捨てることへのためらいがあります。
それ故、FGMを施されて苦痛を感じても、決して表面化しないケースが多くあると
思われます。
FGM禁止法がスウェーデンで施行されたのは1982年、世界に先駆けてこの法律が
施行されたのですが、にもかかわらず、今尚スウェーデンではFGMを施すアフリカ系
住民があとを絶たず、まだまだ根絶には時間がかかりそうです。