保険料における男女平等の是非(イギリス)

保険料における男女平等の是非(イギリス)

私たちは普段、保険料に男女差別があるのか、なんて考えたことがないのではないでしょうか?

しかし、イギリスでは、保険料で男女差をつけることに関して、ちょっとした議論が沸き
起こっています。

従来では、女性より男性のほうに多く課金がされていました。

例えば自動車保険では、女性より男性のほうが事故を起こす確率が高くなっていて、
それ故男性のほうが課金率が高くなるのは当たり前とされてきました。

また、終身年金では、平均寿命が女性より男性のほうが短いという統計結果が出ているので、
それを踏まえると、男性のほうが生涯でもらえる年金の額が少なくなる、ということで、
一度に支給される額が男性が女性を上回るというのが当然の考え方でした。

しかし、これを「男女差別」とし、欧州司法裁判所が、今年に入り保険料率の男女平等化を
図るよう、判決を下したのです。

当然、今までの合理的な保険料率決定を覆すことになるので、大きな議論が沸き起こりました。

今後判決に従い、2012年までに、全ての保険料の男女一律を目指す可能性があるでしょう。

しかし、ここまで男女平等を求めていいのか?

統計学から導き出したデータをもとに、緻密に保険料を決定したその合理性は、
今の時代では完全に無視されるのでしょうか?

合理性に重点を置くか、男女平等に重点を置くか、保険料の問題は、私たちに様々な
疑問を投げかけてくれているような気がします。