サロン文化・カフェ文化

サロン文化・カフェ文化

フランスには、中世からサロンの文化があります。

「サロン」とは、応接間や人が集まる部屋という意味の言葉であり、日本語にも
なっていますが、元々は社交界を意味する言葉でもありました。

サロンの元祖を作ったのは、ランブイエ夫人という女性だと言われています。

イタリアで育ったフランス人のこの女性は、洗練されたイタリアでの生活の
あとでフランスに戻ってみると、その宮廷があまりにも雑然として美しくない
ことに驚きました。

そこで、自らが教養人の集まりを主宰し、そこで学問や芸術についての会話を
楽しむようになったのです。

こうして、初めてサロンというものが生まれたと言われています。

その後、このサロンが好評であったためか、フランスではサロンブームが
到来します。

サロンでは、芸術、哲学、文学や政治といった、あらゆる教養人の会話が
繰り広げられ、また議論が繰り返される場所になりました。

近代・現代では、サロンという場所がカフェに移動し、フランスのカフェに行くと、
若者たちが政治について、激しく議論を交わす姿を頻繁に目にします。

サロン文化が現代フランス人を作ったのか、あるいは元々議論好きだった
フランス人がサロンという場所を生み出したのか、定かではありませんが、
サロンで繰り広げられた人間模様は、そのまま現代のフランス人に通じる
ところがあると思われます。