日常的な同棲生活
フランスでは、以前からカップルによる同棲生活は一般的に存在しました。
筆者が15年ほど前のイギリス在住時も、出会ったフランス人男性と話していて、
「僕たちは結婚する前に必ず同棲するよ。そこでこの人と本当に結婚できるか
確認したほうが、合理的だからね」と言われたことを覚えています。
確かにそうだな、と、当時でも思いました。
フランスでは、結婚(又はパクス婚)以前に、同棲生活をしない人なんて、
恐らくいないでしょう。
むしろ、結婚のためのステップとして、同棲生活というのが位置づけられている
気がします。
日本でも、最近はそのような傾向にあるように思います。
今の時代、日本人男女が同棲していても、さほど驚くことではなくなりました。
フランスではそもそも、結婚に至らないケースでも子供を授かることが
しょっちゅうで、子供のためにも両親が結婚しているべき、という常識は
全く存在しません。
日本だと、同棲中のカップルに子供ができたら、間違いなく結婚を考えます。
そうしないと、「両親がきちんと揃った子供」と見做されず、社会でも何となく
冷たい風当たりを感じるからです。
男女関係の根底にあるものが、平等なパートナーシップで、それに則っていれば、
誰も文句を言わないのがフランス式です。
フランス人カップルは、男女平等に暮らすことが可能な限り、形式にこだわらずに
共同生活を楽しむようです。