フランス式恋愛の由来

フランス式恋愛の由来

フランス人が多様な婚姻に関する法律の保護下で、「恋愛大国」の人間たる
自由な恋愛をしているのは、一体何故でしょうか?

これには、少し歴史を遡って、結婚と恋愛について考えなくてはなりません。

そもそも近代社会前には、結婚とは親の決定によりするもの、政略結婚という
言葉がありますが、まさに両家にとって、縁結びが何かの利益をもたらすという
発想で、子供たちを然るべき相手と結婚させたのです。

また、キリスト教倫理の中で「結婚は人生一度きりのもので、離婚は認めない」
というものがありました。

ですから、「結婚は結婚、恋愛は恋愛」という区別した考え方が生まれ、
結婚してから本当の恋愛に目覚める人が多かったようです。

フランス中世の宮廷文化には、そうした「恋愛文化」が新たに育まれていきました。

宮廷を取り仕切る婦人たちが、詩人や騎士と本当の恋に落ち、宮廷文化の実権を
握る女性たちに、詩人や騎士は、「一生あなたを守る」と、純愛を捧げるのです。

このような宮廷文化に存在した恋愛に対する価値観が、現代に影響していると
言われています。

勿論、フランス女性も、男女不平等に悩まされていた時期がありました。

女性が参政権を獲得したのも、第二次大戦後のことです。

しかし、自由恋愛を獲得した現在、恋愛に対して、特にそれを結婚と結びつける
必要はない、という考え方が、時代を超越して継承されたという考え方もできる
でしょう。